複数ライン入試で先鞭をつけたのは、埼玉の私立高校です。
そのため埼玉生をターゲットにしていた城北地区の都内私立は
こうしたスタイルへの対応を迫られました。
いっぽうで千葉県内の私立高は神奈川同様、上位進学校と中堅校の
分離が進んでいて、上位進学校では中学募集も行われており、
比較的シンプルな学校分布になっています。
Wもぎの偏差値で言うならば、千葉・男子は
市川、渋谷教育学園幕張、東邦大学付属東邦、芝浦工大柏、昭和学院秀英、専修大学松戸
と上位に並び
合格率60%偏差値の60-71の範囲に22入試日程。このうち単線入試が5校ですが、
複線入試も2ラインの学校が多数派です。
いっぽう埼玉・男子は同じ範囲に46入試日程。
慶應義塾志木、早稲田大学本庄、栄東、開智、西武学園文理、川越東と
上位に並びますが、単線入試の学校は大学付属校など4校で
3ライン、4ラインの学校もたくさん見受けられます。
3ライン以上の学校では最上位クラスと一般クラスの偏差値差が5~7の
開きも珍しくありません。
埼玉の学校が複数ライン入試を行う理由のひとつとしては、
学校規模の大きさがあげられます。
中学募集のある学校に限定しても、17年春の卒業者数ベースで
400名を超える学年規模の学校は埼玉私立では13校を数えます。
800名を超える学校も埼玉栄、浦和実業学園と2校もあり、
地域のあらゆるニーズに応えるという意味で
多様なクラス(コース)別募集が行われています。それらの学校では
中学募集もその多様なる形態のひとつかもしれません。
埼玉において近年、進路実績が停滞しているように見える学校が多いのは
中学募集が高校募集から完全には独立していないせいかもしれません。
地域による中学入試事情の違いは個々の学校の個性によるところも
確かに大きいですが、それ以前に高校入試事情にも
強く影響を受けていることは間違いのないところでしょう。
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