受験情報誌を制作していた頃、保護者に中学受験体験の
アンケートを取っていたことは以前ブログにも書きました。
具体的にどんな併願作戦を立てたか、毎年毎年調査していました。
基本的に成功体験のアンケートですから、
調べ始めた頃は結果オーライであるとか、全勝(受験した学校は全部合格)であるとか、
失敗体験を匂わせる内容はほとんどないのが実状でした。
ただし、初期の頃は上位校の合格発表現場に、編集部員や
アルバイトを派遣してアンケート依頼をしていたのですが、
そうすると内容が上位校に偏るため、いつの頃からか
インターネット上でアンケート協力を依頼するようになり、
そちらが主流になりました。
そこで回答内容に微妙な変化が起こりました。
極端な例が増えました。
・中堅校1校だけしか受けない(同じ学校を受かるまで何度も受ける)
・私立に合格したが公立へ進学(最初から進学する気はない)
・第一志望校を受験しない(合格可能性が低いからあきらめた)
・第一志望に合格しても受け続ける(受験校にすべて合格しないと気がすまない)
・第一志望から第八志望までバラエティに富んだ8校を受験(野球が強そうな学校を全部受ける)
などなど。
しまいには「途中で中学受験を諦めた」という体験談まで
登場しました。
何を痛感したかと言えば、
「志望順位なんていいかげんなものだ」
です。
いや、厳密に考え抜いて併願している受験生も多くいると
思いますよ。
ただ、第一志望校+その他大勢だとか、
本人の志望順位、母の志望順位、父の志望順位、塾の志望順位バラバラ
だとか、
いざ合格してみたら、志望順位が大シャッフルだとか、
まあさまざまでしたね。
アンケートですから、成功体験、記入時点から振り返って最終結論を
書けば、第三者はなかなか「そんなはずはないだろう」とは
思わないものですが、
「矛盾だらけの受験校選び」は年を追うごとに増えていきました。
それだけブレているということになります。
当時月イチでメールマガジンをやっていて、制作担当のスタッフが、
受験体験談をセレクトして掲載の検討をするわけですが、
「反面教師」的な内容が連続しないように、いつも苦労するように
なりました。
私立第一志望でもよほどの上位校でパターン化されたケース以外は
実に多岐にわたる「併願」が存在しています。
公立中高一貫第一志望ならなおさらで、当初ほとんど私立中受験は
視野に入っていなくて、現実的な公立中高一貫合格可能性(の低さ)に
直面して、あわてて学校選びをするわけですから、
無理もないことです。
しかしながら、自信あふれる結論ではないにもかかわらず?
ネット上にほぼあけすけに受験校を公開してしまう…
ような保護者の多さを見るにつけ、首都圏中学受験の変容を
感じざるを得ません。
でも、それが現実のようですけどね。
いずれにせよ、なぜ中学受験をするのかの答えが見つけられず、
合格できそうな中学に進学するだけでは、本人のためにも
ならないように思います。
そして大手進学塾としても多様化する価値観の中で、そういった難解な
問題は敬遠したほうが身のためなのでしょうね。
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