まずはグラフを再掲してから。
↑これは私立共学校のグラフ
↓下の8本が公立一貫のグラフ
少し強引かもしれませんが、
国公立大に強いトップクラスの進学校の特徴は
早慶上智>MARCHであることを
ここまで説明してきました。
国公立大の合格実績の数字が高いと同時に、
MARCH合格者の比率が減る傾向がはっきりしているのは
何度もグラフで紹介したとおりです。
1都3県の私立中高一貫校で
早慶上智>MARCH
となっているのは26校ありますが、
このうち共学校は
渋谷教育学園幕張(F1)、渋谷教育学園渋谷(F3)の2校だけ。
これは女子が現役進学志向が高くMARCH実績を上昇
させているわけでなく、
女子校でも、桜蔭を筆頭に女子学院、豊島岡女子学園、
頌栄女子学院、雙葉、フェリス女学院、白百合学園と
7校も
早慶上智>MARCH
となっています。
さて、公立中高一貫では
早慶上智>MARCH
は県立千葉(J1)のみ。
県立トップ校ですからこれは当然ですが、
渋谷教育学園幕張(F1)と比較してどうでしょうか?
渋幕優勢ですね。
県千葉は16年春で中高一貫3期生が卒業しましたが
一貫生卒業後も実績に大きな変化はありません。
逆に早慶上智がダウン傾向で国公立大特化の方向性も
感じられるぐらいです。
現状で渋幕・県千葉はそこまで大きな差はありませんが
一貫生卒業後に数字が上昇していないことを
考えると不安な気もしてきます。
都立では小石川(K1)が抜けていますが、
他の都立と差がついているのは主に国公立大の実績で、
早慶上智<MARCH
の傾向は女子の現役志向というよりは受験層の広がり
ではないかと見ています。
これは良し悪しではなく、都立の中等教育学校共通の
傾向で、入学時の学力検査に起因するものかも
しれません。(=裾野の広がり)
桜修館(K3)にしても、立川国際(K4)にしても
母体校の進路実績とは比較にならない内容ですから
それはそれで中等教育学校に改組した
成果は上がっているといえるでしょう。
都立の中高一貫はいわゆる数値目標が設定されていて
都立高校(非一貫校)も含めた全体の位置づけで
安定を求められるとすれば、進路実績が「揃う」ことは
あってもどこかが飛び抜けることは考え難いのでは
ないでしょうか。
小石川は都立中高一貫を引っ張る存在を求められるのかも
しれませんが、注目は「最低限」の学校でしょう。
確かに2010年開設組の
大泉、富士、三鷹、南多摩はまだ2期生以降の
数字がどうなるかということはありませんが、
当然目指せ小石川となることは想像に難くありません。
これを都立中高一貫の限界とみるか、安定感と見るかは
何ともいえないように思うわけです。
神奈川については現状県立相模原(K2)は高いですが、
1期生、2期生の差が大きく、経過観察が必要でしょう。
とはいえ、突拍子もないグラフのバランスを
求められることはないでしょうし、都立一貫校を
ライバルとするなら、神奈川の公立中高一貫も
目指せ小石川的な方向になるように考えます。
こうなっていくと東京、神奈川の中高一貫は
現役進学率の差を見るということになり、
早慶上智>MARCH
は望むべくもないことになります。
なお、千葉・埼玉の併設型一貫校は
母体校の成績を維持するか、わずかでも上昇で
目標達成であることを考えると、
中高一貫の成果は藪の中となる可能性が大きいと
考えます。
というわけで母体校レベルがとても高い
県立千葉以外の1都3県の公立中高一貫は
ステレオタイプな実績のように
見えるのです。
※本文に登場しなかったグラフの校名
→(J2)都立武蔵 (J3)都立両国 (J4)市立浦和
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