早いところは3月のうちから、そうでなくても4月に入ると毎週のように
「合同」説明会はどこかしらで開催されています。
ふだん、自分でブログを書いていて、もしくは周囲のランキング上位のブログを
チラ見するにつけ、感じるのですが、情報というものは「欲しい」という
明確な気持ちがないと素通りしていきます。
日頃感じるのは「成績を上げたい」「偏差値を上げたい」という気持ちが
ほとんどであって、「いい学校を選びたい」「なぜ大変な思いをしてまで
中学受験をするかの答えを見つけたい」という思いはさほど強くないようです。
もちろん個人差はあるようですが、ある程度の学校の仕分けができていない状態で
「合同」説明会に足を運んだらどういうことが起きるでしょうか?
その学校の個性と背景をある程度、あくまである程度おさえた上でブースに行くのと、
まっさら真っ白な状態で話を聞くのでは全然受ける印象は違うはずです。
以前、こんなことがありました。
ある知り合いの広報部長の先生が「共学校だけの合同説明会をやりたいので協力してほしい」
と言うのです。何年か見守ってあまりこちらも協力できず、うまく行きませんでしたが、
各校の共通の目的は「明確に中学受験の意思を固めていないご家庭にアピールしたいので、
そういった家族が週末に外出して帰宅する経路上でセッティングしたい」というものでした。
確か初回は品川プリンスで、2回目は秋葉原だったように記憶しています。
この「なんとなく関心がある層を捕まえたい」というのはもっともな話で、
すでにSAPIXに通っていて、学校の偏差値順が完全に頭に入っている保護者に
「私立中学はこんなところが素晴らしい」とその概略を訴えても、心に響かないからです。
本ブログ、この時点で、中学受験をしようかどうしようか迷っている…
という読み手がたくさんいるとは思っていませんが、
同じようにもしこのブログが
「中学受験の素晴らしさを世間に広める布教活動の一環として」
存在しているなら、この場所でDEEP-INSIDEなどと謳っている場合ではないはずです。
だからといって、どんな場所でアピールすればいいかの答えは
なかなか見つかりません。
それは交通広告、つまり電車の中の広告や、駅の広告が意外と学校告知に役立つ、
と言われていることからも、ジャストなターゲットに訴えるのは難しいわけです。
つまり、回りくどい言い方になりましたが、
「合同」説明会は、「すそ野を広げるのが狙い」なのだと思います。
そこでA校を受けたいが、併願、押さえとしてB校もなかなかだ、という発見をすることも
不可能ではありませんが、何も見当をつけずに漠然と会場に足を運んでも
「学校、たくさんあるなあ」となるだけだと思います。
「まだ決めてない潜在的なニーズを囲い込みたい」学校と
「どの学校がどんなかの予習が済んでいない」保護者とが
合同説明会で出会っても、素敵な出会いになる可能性は低いと考えます。
参加校の先生方は当番制で各地の合同説明会に出展するわけですが、
これが年間数十回ともなると、かなりモチベーションは上がらないのではないでしょうか。
1日数十組の骨のある、答え甲斐のある相談がくれば別でしょうが、
「きょうは1日でわずか4組だった…」みたいなケースも珍しくないと聞きます。
業界の外に出てしまうと、こういう慣習も
「午後入試」以外に効果的な受験者確保の方策が見つからないので、やり続ける
しかない、というのと似ているような気がしてなりません。
さらにつづく
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