せっかくいい流れで来ているので都立中高一貫校の話を続けたいと思います。
自分が見てきた限り、私立側は
「公立(都立)になんか、歴史ある私学の中高一貫教育なんてマネできない」
「そもそも建学の精神こそが私立の優位性だ」
「校長ですら、一定の期間が過ぎたら交代してしまうわけで、その度にブレるようなことがあったら何の一貫教育か」
なるほど、と言えるフシもありますが、あくまでこれは私立側から見た意見です。
公立中学なみの学費で、難関大進学と現役合格を両立させるのだとしたら、
少しぐらいのリスクはあっても挑みたくなるのも保護者のホンネでしょう。
この際、「中高一貫の何たるか」なんて二の次ということです。
それぞれの違う魅力の、どの部分に魅かれるかは、人それぞれでいいと思います。
公立の中高一貫受検にはリスクがある、ということだけ理解していれば。
失敗したときのどう立て直すかをこっそり用意していればいいと思うのです。
私立第一志望の受験生でも「失敗を考えない」受験をして、公立中に通う生徒もいますからね。
ほんとうにゆっくり徐々に徐々に自分の結論に近づけていきますが、
東京都内に現在11校の中高一貫教育校があります。
中等教育学校が6校、併設型が5校。
もしあなたが、(都教委に在籍していて)校長に抜擢されるポジションにいて、次は11校のうちの
どこかの校長になれそうだとしたら、どう考えるでしょうか。
そういったポジションまで経歴を積み上げてきて、私立の教育に詳しい
ということはほとんど考えられないと思います。
実績のみで考えると、先行しているのは日比谷ほかの「進学指導重点校」。
7番めの都立青山のしっぽに小石川が食らいついている状況が見えます。
テーマは難関大合格と現役進学の両立です。
中高6年間の「人間教育」はプランのどのあたりに咬ませますか?
また、自分が赴任した(中学)高校の「伝統」にどう対処しつつ、自らの色を出すでしょうか。
都教委は数値目標を求めてきます。全体の何%をどのぐらいの大学に合格させられたか、
結果報告の義務があります。
もちろん都立の中高一貫を担う職員スタッフはある程度の意欲に満ちた、
かつ能力のあるスタッフです。でも、生徒たちは生身の人間です。
組み上げたシステムに対して、自動的に結果を出すわけではないのです。
11校全校ではありませんが、都立以外も含めて「公立中高一貫」受検情報誌を
4年の間、担当した身として、残念な公立らしさ、を拭い去ることができません。
中高一貫校でも一貫じゃない学校と同じ、悪い意味での公立らしさは変わらないのです。
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