出願しやすくすることで出願者を増やす…。
目的が出願者増加の一点、ということであれば、
学校としてもあらゆる手段を尽くすのも当然でしょう。
出願者が増えなければ、受験者は増えず、
受験者が少なければ、優秀な受験生が集まる確率は低い。
確かにその通りですが、
出願者を増やすことで完結してしまっては、
学校として生徒の期待に応えることにはつながりません。
「経営」という視点から見ていくと、
生徒の期待に応えること=学校の使命
と単純には結びついていないのかな、と思います。
「出願しやすい」にはいろんな要素があります。
・出願の締め切りが試験日直前
・入試日程が複数回設定されてチャンスが何回もある
・一定の受験料で何回も受けられる
・合格発表が即日で他の日程を有効に活用できる
・インターネットで合格発表をするので、無駄に足を運ぶ必要がない
・合格しても入学しない場合は手続金の一部または全額が返還される
・他校の合否発表まで手続きを待つ…
・面接試験がない
そして最近は…
・インターネット経由で学校まで足を運ばずとも出願できる
そんな学校も増えてきました。
もちろんほかにも細かい工夫はいろいろあるようです。
しかし、見事に需要と供給の関係の上に成立しているんですね。
例えば…東京の男子校の場合。
開成・早大学院の場合は入試は2/1ですが、出願締め切りは1/21です。
早稲田は1/23、桐朋・武蔵は1/24、麻布は1/25出願締切。
合格発表は麻布、開成、武蔵、早大学院は翌々日の2/3発表。
これが神奈川になると、
横浜共立学園1/10締切、フェリス女学院1/11締切、横浜雙葉1/13締切、
栄光学園1/16締切、慶應普通部1/18締切…。
同じ2/1入試校でも出願期間は短く、締切も早い。
うちの学校は当然第一志望でしょ、と言わんばかりの入試態勢。
一部の学校では入試の前日締切どころか、当日朝まで受け付けている
ことを考えると雲泥の対応と言えます。
ところが。こうして「出願しやすい」学校ほど受験生は集まらないのが
中学入試です。
伝統校、難関校は出願を躊躇している余裕はないわけで、
逆にぎりぎりまで待ってくれる学校ほど、結果的には
受験生にも安く見られているということになります。
そして自らを安売りしているとも言えるかもしれません。
本来出願しやすさよりも、教育内容、進路実績で人気を集めるべきだと
思うわけですが、言うは易しで、できるもんならとっくにやっている…
ということなのでしょう。
違う言い方をすれば、もし全滅だったらどうしよう?という
受験生の不安につけこむサービスと言えるような気もします。
学校というもの、やっぱり募集に対する最低限のプライドはキープしないと…。
もちろん「出願しにくい」???学校の中にも、世の中の移り変わりに
鈍感で、いろいろと「下降線」な印象の学校は
ないことはありませんが、極端に安売りする学校はその先「期待」に応えて
くれない可能性大ですから、避けたほうが賢明でしょうね。
偏差値ばかりで選ばず、前年の入試結果や、進路実績の推移も見比べた
上で絞り込んだ中から、合格確実な学校を見つけておくのが受験プロデューサー
たる保護者の腕。ま、出願速報を見比べて難易度予想をする暇があったら、
とっとと出願を済ませるのが吉だと思うのです。
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