少し前の話になります。

一部はブログに書いたこともあると思います。

中学受験情報誌の企画で、それぞれ中高一貫校の教育ビジョンに

ついて取り上げたことがありました。

まあ所詮広告企画ですから、編集部で学校を選ぶわけにはいきません。

広報アピールが必要な学校がそこそこ集まったと記憶しています。

取材して記事を作成する以上、

その学校のアピールポイントを最大限にポジティブに紹介できていたと

思います。もちろんないものは紹介できないわけですし、数十校の

ラインナップである以上、差別化が必要です。

そのとき感じたのは、本校は他校とここが違う、というセールスポイントを

学校担当者が明確に意識していないという現実でした。

というよりもそんな大層な取材とは思っておらず、

「何を取材されればいいの? 校長先生のインタビュー?」ぐらいの

認識で取材対応していた学校が大半だったように思います。

企画書をろくに読んでいないレベルの学校もあったと記憶しています。

10年が経過して振り返ってみると、その年の取材で印象に残っている学校は、

いまだに募集で苦戦しているということです。

また当時より募集状況が悪化している学校も少なくないようです。

ある女子校では英語に力を入れていて、ネイティブの教員を多数雇い入れ、

留学にも力を入れていました。実技教科(音楽・美術)にもネイティブ教員が参加して、

英語による授業進行をしているという話だったので、在校生に話を聞くと、

取材対応をしてくれたのはすべて留学体験のある生徒で

全員高入生でした、実技授業での英語進行は中学段階の実施だったようです。

そのときに生徒たちが語ってくれた中で印象的だったのは、

「留学(&ホームステイ)という貴重な体験で英語によるコミュニケーションの

大切さが実感できたけれど、自分が相手に伝えるべき日本の知識が希薄なことが

とても残念だった」ということでした。

大学に進学して、そこをしっかり学んでから、再度海外に行ってみたい、と。

別の女子校では、英語の多読に取り組んでいるということで

高2生にその実際を詳しくインタビューしました。

対応してくれたのはクラスの中でも進度が順調な生徒数人でしたが、

高校入学時に苦手だった英語長文読解は、1年後にはすっかり苦手意識が

消えたという話をしてくれました。

意味のわからない単語が出てくるたびに辞書を引き、それを

繰り返すたびに英文に飽きてしまう、そんなレベルはこの多読授業で

脱することができた、という話でした。

英語に力を入れるといってもさまざまな側面があります。

読解だけでなく、聞く・話すも同様に重要です。

しかし「聞く」と「話す」が分離している状況も多く見受けます。

「英会話」という名称の授業の中でのキャッチボールすることが

あっても、1対多の授業形態の中では限界があります。

間違いを正した回数こそが英語力の向上につながっていくと思いますが、

集団授業ではそれが難しい。集団授業の中で個対個の場面をどれだけ

作れるかもそれこそ各々の教員の力量によって大きく左右されます。

また高校や大学の入学試験で問われるリスニング力と

実際の場面での本来のコミュニケーション力は別物でしょう。

相手の意図を感じ取る能力は純粋に英語力だけの問題ではありません。

つまり物理的に英語の授業時間数を多くしたから、英語力がつくという

ことでも、ネイティブ教員の多さがその学校の英語教育力を示すものでも

ないということです。

かつて、英語の授業時数の多い学校をランキングで並べたことがありました。

やってみて全然説得力がありませんでした。

時間をかけた割に効果が上がっていないランキングになっていました。

真の英語教育力は学校サイトやパンフの字面からはわからない、

と思ったほうが良さそうです。

そこを測ろうとするなら授業見学が必須です。

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