中学入試において女子校が募集に苦戦していることは
いまに始まった話ではありません。
高校募集で挽回できない学校は、受験生の減少、入学者の減少が
継続すればするほど学校へのダメージが大きいのも
当然のことでしょう。
小規模校ながら着実に難関大合格者を出していても、
実数が小さいためにうまくアピールができず、
注目を集めないという側面もなくはないのですが、
多くの場合、打つ手が遅すぎるという印象です。
かつて東京・神奈川の私立女子中高といえば、
進学を強く意識する学校ばかりではなかったのかもしれませんが、
時代が変わり、女性の社会進出が当たり前になってくると、
旧来のままでは生徒が集まらなくなります。
背に腹は代えられないとなると、
高校募集に軸足を移したり、高校募集を再開する学校も
ありますが、そこでさらに難関大実績とは遠ざかる結果に
なりがちです。
例えば麹町学園女子は2017年から80名の高校募集を再開しましたが
遡ると2012年に高校募集を停止したばかりの学校です。
2012年に高校進学した一貫生は170名。
2015年に中学入学は61名。
ここまで落差が大きいのは進路実績の問題だけはないのでしょう。
過去のアンケートをひもといてみると
2009年の中1~3は197~204名という規模でしたが、3年後には
それぞれ20~30名ずつ減っていました。
これでは在校生の満足度は上がらないでしょう。
東京純心女子も高校募集にシフトしている学校のひとつです。
17年の高校募集は90名。
2013~2015年の高入生数は16名、26名、36名と推移していましたが
すでに募集人数では中高逆転です。
一時は中学140名、高校20名のバランスだったわけですから
中学で定員割れしているぶんを高校に回してしまったのでしょう。
中高の学則定員はいったん減らすと復活が難しいので、
中高間で融通をすることになります。
2018年から共学化する八雲学園も苦渋の決断をした学校と言えるでしょう。
2017年の卒業者数174名は過去11年間で最多ですが、
2014年、2015年、2016年と入学者数を減らしました。
2016年は83名と急落。高校募集若干名の学校ですから、
定員を高校募集に割く考え方も可能だったのかもしれませんが、
一貫教育にこだわり共学化の道を進むようです。
しかしながら、男子を意識するとなると、進路実績でのアピールが
欠かせません。学校サイトも今後完全リニューアルだそうですが、
8月1日時点では詳しいことは決定していないようです。
共学化となるとクラス別募集は必須という気がします。
今回ピックアップした現女子校3校。
共通点はかつて午後入試で受験生を増やした学校でした。
東京純心女子はピークで547名ですが、麹町学園も八雲学園も
総受験者数が4桁に達した時期がありました。
志望順位は低くても、一般入試よりやや学力上位の生徒を確保できる
可能性が高い午後入試。そこで伸ばせなかったツケが
生徒の満足度として伝わってしまったのかもしれません。
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