前回ピックアップした
生徒数を減らしている度合いが高い15校のうち、
2017年春の卒業者数が過去11年間のうちで最低数だった学校は6校ありました。
このまま減り続けるのか心配な学校です。
そこでまずこの15校について、次の学年の在籍者数を
調べてみました。
次年度が生徒数が回復する学校が10校、
さらに減少する見込みの学校が5校という結果が出ました。
最低数をさらに更新しそうな学校は2校だけでした。
各校とも募集に奮闘している様子がわかります。
実はこの15校の中で、高校募集(一般募集)を行っていない
学校は聖学院1校のみ。
つまり中学募集の状況を踏まえながら、高校募集で何とか
頑張っている様子がわかります。
中学募集の不振を高校募集でカバーする。
それが叶っているなら学校としてはひと安心です。
と同時に軸足が高入生にシフトしているとすれば、
受験生は中学受験の際に選んで正解か?という問題も浮上します。
前回記事で生徒募集の立て直しは高校募集から、
と題したのはその意味からです。
ところがそもそも高校募集をしていなかったり、高校募集を
していても10~20名前後の学校では、
中学募集の不振は即学校経営に響いてきます。
今回の集計で2015-2017年の卒業者数平均が2007-2011年の卒業者平均の
85%以下だった学校は36校あり、全体の1割を超えますが、
この中には中学新規開設、高校募集停止による定員変更も含まれますから
36という数字は意外ではありません。
私立中高の学年ごとの在籍数は年度によって上下幅が大きいので
推移については簡単には把握しづらいとも言えます。
ところが抽出方法を少し変えて、
17年春の卒業者数が11年間で最少だった39校の中から、
中学募集にはっきり軸足を置いている学校を拾ってみると
実に多くの女子校が苦戦していることが見てとれます。
共学化、高校募集再開、クラス構成の変革などが
相次いでいます。
いずれも総受験者数2桁といった既存の募集困難校では
ありません。300~500名の受験生を集めていても、
実際に入学者ベースでは危機的状況になっていたということです。
あくまでも卒業生数ベースで語っているということは
すでに中1入学時点で予見できているわけです。
あまりに辛口のような気もしますが、動きが鈍いのと同時に
次の受験生に期待を持たせるためだけの改革&ロジック
ではないか、と思えるフシもあるわけです。
こうなると難関大合格!という結果至上主義に
批判的な態度をとるのも自分で矛盾しているように
思えるほどです。
大学入試改革がそういった改革の口実にされている
気さえしてくるほどです。
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