ここまでの話の流れは
東京の場合は、中学入試の偏差値表での学校分布と
高校入試の偏差値表上の学校分布が神奈川と比べると
一部でかなり違ってくるという話でした。
基本的に中学受験で高校入試の偏差値を気にすることは
まずありませんから両者はまったく関係のない話と思うかもしれません。
ただ高校募集も行っている学校では、中高一貫生が
どれだけ6年間で伸びているかを知るためには
高入生の存在は比較要素として重要です。
つまりは、中学受験で目指している学校が高校募集をしているかどうか、
しているならどんな高校募集をしているかに関心を持つべき、
ということでもあります。
東京と神奈川の高校入試を比較すると、神奈川の私立入試においては
一部の学校で筆記試験のみで選考するオープン入試という
形式の存在に目が留まります。
素人目にはオープンじゃない入試って何?といったところですが、
これは内申点のみで合否が決まる確約型の入試が主流という意味です。
こうして進学先をしっかり確保して第一志望の公立を目指すスタイルが
長い間続いてきました。
東京でもそれは同様なのですが、少しでも上位の生徒に受験してもらい、
万が一公立不合格だったときに、ひとりでも取り込みたい、
そういう競争意識の高い学校が多いために、コース別募集をする学校が東京では
目立つということです。特に埼玉県と競合する城北地区に多く見られます。
それらの学校は中高一貫生を伸ばすかどうかの問題とは別に、
高入生をひとりでも多く難関大に送り込まないと、高校受験生が集まらないと
考えている学校群と言えるでしょう。
その結果、最上位クラスと一般クラスの偏差値の差が9などという
極端なケースが出現するというわけです。
最上位クラス=特待生みたいなものでしょうか。
Wもぎの偏差値表上の学校数(コース別入試数)を数えてみました。
東京・男子では偏差値60以上の入試総数が93で
このうち1ラインの入試が34です。
半数近くが(特進・普通)など2ライン以上の入試です。
都内には複線入試を行わない大学付属校が多数存在することを
考えるとかなり多い数字です。
神奈川・男子では偏差値60以上の入試総数がわずか19で
単線入試が6校。神奈川に3ライン以上の入試が少ないこともあわせると、
東京・神奈川では私立高校の選択肢には圧倒的な差があると同時に、
高入生主体でMARCH20%を確保している学校数にも差があります。
これは私立高校の多くが公立の受け皿になっていて、
年ごとの変動が小さいということでもあるでしょう。
私立校地図においては、東京よりも神奈川のほうが中高でリンクしていて
よりシンプルだといえます。
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