進路実績を伸ばすことで、受験生が集まり、6年後、さらに実績が伸びる。

そういった好循環を続けている中高一貫校は多くはありません。

進路実績を誰もがわかるように目に見えて伸ばすことは難しいことだからです。

その6年間のサイクルを早めて、できるだけ短期間で上位層を集め、

結果を残す。多くの学校でそんな試みが行われています。

これまでに本ブログで書いたように偏差値表の上位に登場する学校ほど、

注目を集めるのは間違いないからです。

以前制作していた受験情報誌にその高校の偏差値を紹介して、ある私立高の

校長先生から感謝されたことがありました。偏差値そのものは編集部のデータではなく、

会場テストを主催している会社から提供を受けたものでしたが、

その数値が非常に上向きのベクトルを示しており、都立上位校との併願者が

増加した、ということでした。

その気持ちはわからなくはありません。

短絡的に言えば、先に入試の偏差値を上げてしまえば優秀な受験生が集まる。

そういうことでしょうか。

首都圏の中学入試において、これまでにも将来性を買われて、

進路の結果が出る前から、入口の偏差値が急上昇した学校が何校もありました。

最近の例で言えば広尾学園がそうでしょう。

実際にはまだまだ人気先行の感は否めません。

人気先行=伸びしろ期待ですから、今後しばらくは人気を集め続けるはずです。

最新の結果偏差値を見ていて、こんな戦略の学校を見つけました。

男子校の東京都市大付属

2015年から1類、2類と区分した類型別募集となりました。

1類とは難関国公立私大、2類とはとは最難関国公立大。

最新の募集要項では1類が160名、2類が80名となっています。

この2類型、どの程度違うのでしょうか。

首都圏模試センターの偏差値データによれば、17年入試では

予想段階では2類68、1類66でしたが、結果偏差値では2類68、1類62。

この類型別入試、「回し合格」のシステムになっていて

2類志望で1類合格、もしくはその逆もあるようです。

実質倍率で見ると2/1PM実施の第一回入試は見かけは

2類3.0倍、1類2.3倍ですが、2類志望者の1類合格が213名、

1類志望者の2類合格が71名にのぼるため、1類の合格ラインは

下がるわけです。

つまり2類志望者→2類合格+1類合格でトータル倍率は1.3倍。

その結果、両類の結果偏差値の差は6にまで開きました。

難易度を下げずに(2類)、合格者を確保する(1類)ことが

可能になった入試方法です。

1類志望者・2類志望者の母集団をいったん分けて集計するあたり、

なかなかテクニカルです。

2類では2/1AM入試の最難関中の併願者を多く集めるとともに、

1類で合格者の絶対数をキープすることができています。

東大合格者は2類からしか出ないということではないでしょうが、

こうすることで受験生は何となく

2類で受かっておきたいという心理状況にもなるでしょう。

この方法、

4回の入試で2000名を超える受験生を集める東京都市大付属だから

こそ成り立つ入試だと言えるかもしれません。

最近の中学入試ではこうして同じ学校でも

クラスやコースによって異なる偏差値が

設定されることは珍しくありません。

確かに受験生は高いほうの偏差値に目が行きがちなので、

学校側としては上位層にアピールするために

あの手この手を考え出してくるようです。

学校によってその事情は千差万別。

プロデュースされた「高いほう」の偏差値だけに

踊らされないことが肝心です。

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