以前学校取材をしたときに、
学校の担当の先生とこういう会話を交わしたことがあります。
自分:「なかなか順調に進路実績伸びていますね」
先生:「わかりますか? 実はそうなんですよ。でも、学校規模が小さいのでなかなか地味で」
自分:「だって合格者数を卒業生数で割ったら一目瞭然じゃないですか」
先生:「確かにそうなんですが、ほとんどの人はそうは見てくれません。大きな学校のほうが難関大合格者が目立つんです」
このときの会話があって、進路実績の推移は人数ではなく%で見るべきと確信した、
といっても間違いではありません。
ところが、各校のサイトを見ていると進路実績のコーナーに卒業者数を
ちゃんと併記している学校が何割あるでしょうか?
公立高校の場合は、学年規模は大きく変動しませんが、
私立の場合は、学校によっては2クラス、3クラスぶん変動する
こともあります。
そして、変動せずとも4クラス程度の小規模校もあれば、
6~8クラスの学校もあるわけです。
ですから他校と進路実績の比較という土俵に乗るためには
学年規模を明記することは必須だと思うのです。
次に学校サイトであまり触れられていないのは現役進学率。
この数字が低い学校(特に男子校)が取り上げないのは
わからなくはありません。
いっぽうで女子校で高いことばかり強調していて、
胸を張っている学校を見かけますが、
これは裏返すと難関国公立大は志向していない宣言でもあります。
本校はそのレベルには達していませんから、という逆の意味での強調。
またこの現役進学率、共学の場合は男女差があって当然です。
しかしながら、女子にけん引されて男子も高い傾向の学校と、
男子同様に女子もチャレンジ思考が強く低いケースが
あるわけです。
共学校の中で高い学校と低い学校は同じTOP100でも20%以上
違うケースもあります。
でもサイト上は記載していない。
都合の悪い情報は非公開というよりも、頓着していない、
現状を認識していないケースが多いようにも思います。
ちなみに進路実績のコーナーをサイト上どういう場所に
分類しているかも学校によっていろいろです。
そういえば、神奈川のサレジオ学院は
学校サイトのメニューツリーの中に「卒業生の進路」という
コーナーがありません。
じゃあ、数字が悪いから隠しているのかというと、
そんなこともないようです。
検索してみるとQ&Aのコーナーの片隅に
申し訳なさそうにPDFファイルが張りつけてあります。
まあ武蔵のように、他校と比較されたくないので
合格者数は非公表、公表は進学者数のみと
ポリシーを貫いている学校もありますから、
そこも含めて学校の個性かもしれません。
たったこれだけのことでも、
学校のさまざまな現状認識が透けて見えると思うわけです。
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