ひとくちに中学受験というテーマを取り上げるにしても、
関心を持っているのは来春に控えた小6生の保護者ばかりではありません。
保護者ブログを見ても子育てブログの延長線上で、まだまだのんびりしている
保護者も多いようです。
2019年、2020年受験組ということなら、いま小3、4なわけですね。
まだまだそんな切羽詰まってないから。
そう思って当然です。
本番が目の前に迫って切羽詰まっている保護者・受験生と、
これから徐々にエンジンをかけようと思っている保護者・受験生の両方に
ピンとくる内容を書くのはかなり困難だと思ってます。
これはいまに始まったことじゃないですが。
もちろんそこをわかったうえで、「苦しむなあ」と思うのは、
まだ余裕がある組が、直前切羽詰まったらどういうことが起こるかに
あまり注意を払っていないことなんですね。
もちろんそのときになってみないとわからない、ことも多いですし、
予想外の事態も起こるのかもしれません。
でも、これは多くの保護者・受験生を見ている塾関係者から見れば
「あるある」のひとつにすぎません。
受験情報誌の編集長の目線からは、そういった具体的なあるあるは
塾関係者ほど多くはないのですが、過去問にも
「そこを理解しないんだ…」というあるあるがあるわけです。
自分のときはどうだったか。
もし中学受験を経験していなくても、高校受験のときの経験が
保護者にはあるわけです。大学受験の経験もあるかもしれません。
あれ?自分たちのときのことは忘れちゃったの?
それともそれを棚に上げてわが子に接しているの?
それとも、
その苦労に気づかないで通過してきちゃったの?
それはわかりません。
過去問=過去問題を知らない人はいないにしても、
その学校がどんな問題を出題するかを知らずに
受験するリスクは無視できないでしょう。
そもそもそんな受験生いるんですか?
という話です。
よっぽど平易な個性のない基礎的な問題しか
出題しない学校を受験するのならかまいません。
実質競争率1倍なら、それでも合格します。
そんなこと言われなくてもわかってる…
という声が聞こえてきそうですが、
なぜ過去問をやるのか。
過去問をやることで、何を身につけるのか。
どうもそれをスルーしたままで、
「過去問対策がままならない」
「じゅうぶんに過去問に取り組む時間がない」
「塾が面倒を見てくれない」
そんな意見が飛び交っているように思うんですね。
実はキタシロ、中学受験情報誌を15年やる前は、
高校受験の中3生相手の月刊誌を作っていました。
「入試にアジャストする」戦略→考え方と、
受験生本人たちの心理状況はけっこう理解しています。
中3の頑張らなくちゃと小6の頑張らなくちゃ、その保護者の
頑張らなくちゃはそれぞれに違いますが、
待ってくれない入試スケジュールにアジャストしていく過程は
あらゆる試験で共通部分が多い。
世の試験と言うものの中には難易度・厳しさを知らずに
飛び込んでもなんとかなるもののなくはありませんが、
それは失敗してもすぐに次のチャンスが与えられるタイプの試験
だけです。
中学入試は一度きり(複数回入試の学校や、複数の学校を受験することは可能ですが)。
だからこそ緊張するのでしょう。
過去問対策はその中でももっとも象徴的な要素です。
入試準備の総仕上げが過去問対策と言っても過言ではありません。
何度も話に出てくるかつての上司が
「そんなに過去問が重要か」と言ったエピソードは
いくら思い直しても理解できませんが、
可能性としては「さほど厳しくない入試」を「余裕で乗り越えてきた」か
「過去の痛みを忘れ」「目先のことしか考えていない」以外に
考えられないとさえ思います。
当時は、これが名言としてここまで印象に残るとは思っても
みませんでした。
もしかして
自分のときはそんなに深刻じゃなかった
イメージのまま、中学受験生の保護者をつとめているとしたら…
過去問対策に踏み込む前の
段階、けっこうたっぷりありそうですね。
次回は中学入試の過去問そのものに対して、もう少し具体的に迫ります。
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