神奈川の高校入試が抱える深い根っこ。
そうです、(かつての)ア・テストですね。(1997年全廃)
導入時の経緯は知りませんが、アチーブメント(到達度)テストの略、です。
中2の時点でのこのア・テストの成績が(県立)高校入試に
大きく影響し、中3になってから「挽回不能」に陥る、
いつしかこのシステムはそんな悪者扱いになりました。
前にも書きましたが、どの県でも高校入試の抱える問題点は、
平等性と救済措置のせめぎあい。
中3で受験戦争が過熱しないように、中2の時点から
しっかり学力を身につけた生徒を評価しようというシステムだった
のかもしれませんが、結果としてア・テストで進路が決まる
ということになり、単に受験が1年前倒しになったに過ぎない
とするなら好ましい状況ではなかったのです。
その後の入試制度の改革により、中2までの成績が入試を左右する
比重は下がりました。
それでも中3だけの成績で決めるのが平等な選抜なのか、というと
議論が分かれるところです。
さらには学力検査の一発勝負などもってのほか。
じゃあ、どういう高校入試がもっとも平等感があり、
失敗した受験生に挽回の余地が残されているのか。
当然ですがこんなものに正解はなく、慣れの問題です。
まあ、この程度がいいのかな?の慣れの問題です。
神奈川の場合、全国的に見て極端なほどに「中2重視」を
打ちだした影響で、公立高校入試への不公平感・不信感が
収まらないのではないかと思うのです。
そしていくら公立第一志望でも募集定員を考えれば、
1.0倍にはなりませんから、公立一本というわけにはいかず、
私立高校も併願するわけですが、ここで多くの場合、
中学の先生側の仕切りが入ります。
「きみの成績であればこの私立なら大丈夫」
もちろんそのアドバイスを無視することも可能ですが、
先生からすれば○○中から12名行きます、みたいな
中学と私立高との下打ち合わせ(もしくは例年実績による
見込みの確認とも言う)が存在するので、さらに不公平感の助長にも
なるわけです。
中堅クラスの私立高にとっては公立中から情報を集めるのが
募集業務の中で大きな比重を占めると言います。
埼玉の入試だと調査書点の打診ひとつをとっても、
受験生が自由にやりなさい、その代わり不合格でも中学は
悪くありませんよ、のイケイケ入試が根づいていますが、
神奈川はその逆で、悪いことは言わないから先生にまかせなさい、
の入試が続いてきた歴史があるということです。
高校進学率がほぼ100%に近い時代に、自己判断・自己責任で
公立へ進学するプレッシャー、そして、
「もし担任のウケが悪かったら、調査書点にも不利が生じ、
薦められる併願の私立もナットクできない学校かも…」
という先入観が輪をかけているようです。
だからオープン入試? 何でそんなものが必要?
別にオープンでも、リスクが高いのは嫌だよね、となったのだと思います。
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