テストがどうしてもニガテ、という人がいます。

プレッシャーがかかる場面で上がってしまうから、と言います。

これは慣れるしかありません。

失敗が怖いから緊張するのです。

でも確かに失敗できない場面もあるわけです。

入学試験はその最たる例です。

入試本番で失敗しないために、模擬試験があるわけです。

ということは模擬試験は失敗体験を積み重ねるための

機会であるとも言えます。

失敗体験を積み重ねた結果、入試本番でそうならないための

「戦略」が組み立てられます。

たとえ小6であっても自分で立てた実感のある「戦略」は必要です。

さて、難関大学合格者の中には、とりわけ東京大学出身者の中には、

「頑張る」だけで自己実現できてきた人が少数います。

以前、編集部に在籍していたとき、ある東大出身の幹部社員の

理解度にとても驚かされました。それは彼の本質を表していた、

と今でも思います。

地方の公立高校から東京大学へ進学したその人物は、塾講師のバイトを

経験したのちに自分の同僚になりました。

どんなバイトをしていてもさして気になりませんが、

東大出身で「塾のバイト」という組み合わせはどういう印象を相手に

与えるでしょうか?

自分が彼の応対で驚いたのはこんな会話からです。

「公立高校の共通問題はトップ校を受けようとする受験生と、

中堅校を目指す受験生では対策が明らかに違うので、この参考書企画は

どちらにターゲットを絞るべきか」

当然、彼は前者の道を通ってきたと確信していましたし、自分も同じです。

ただ一般的な参考書・問題集は80点を目指す内容のものが多いわけです。

上位校志望者に対しては字が多くくわしい参考書と、

難易度が高い問題が集まった問題集で対応するのが業界の常識です。

そこで自分は言いました。

それって効果的な対策???

その論理展開を彼はまったく理解できませんでした。

驚きでした。

東大合格の頭脳なら、この投げかけに対して、理想と現実のギャップを

埋める巧みな判断を示すのだろう、と思っていましたが、質問の意図を

理解しなかったのです。

ここまででここで自分の言わんとするところを察した読み手の方は

「かなり」優秀だと思います。

カンタンなことなんですけどね。

5教科500点満点の公立高校入試があるとします。県下トップ校の

合格ラインは450点で9割。

さて、公立高校の入試問題の難易度はどう並んでいるでしょうか?

500点満点のうち、50点しか落とせない。

とするなら失点しそうな問題でことごとく得点を重ねることが求められます。

なおかつ、易しい問題ではすべて満点でクリアしていくことが求められます。

さらに言うなら満点でクリアするための所要時間は最短であるべきで、

失点可能性のある問題に余裕をもってできるだけ多くの時間を割くべきです。

これが得点の戦略です。

ということは上位校、トップ校志望者に対して、

満点でなければ許されない、しかも短時間で満点を取るトレーニングを

するための企画が必要だろう、とこう告げたわけです。

「中堅校志望者のためのやさしい問題集」ではありません。

いかにスピーディーに解き切るかのトレーニングをしていると、

必然的にケアレスミスの事例が蓄積されていきます。

他の受験生がミスする問題で得点する10点と、ほぼ全員が正解する問題で

失う10点ではどちらが対策が容易でしょう。

この戦略、中学受験をする受験生本人は12歳の時点である程度

理解できている必要があると思います。

会場テストでもいいですが、保護者が「どうだった?できた?」と

聞いたときに「だいたいできた」と答える時点で本人に実感はありません。

「さっぱりできなかった」と答えたあとの保護者のリアクションを

恐れているに過ぎないかもしれませんよ。

「算数は80点はカタイと思うけど、もしかしたら理科は60行かないかも…」

と帰宅するなり自己採点をし、

「なんでこんな問題で間違うかなあ。はぁ」とため息をつく子のほうが

有望です。

「会場テスト終わったし、頑張ったから外食でもしようよ」

なんて気分転換が素早いのは逆に気になるところです。

できるはずの問題ができなくて悔しいと思わない時点で、本人は

できてもできなくても終わったからほっとしたい、という発想になっている

かもしれません。(入試本番ならそれでもかまいませんが)

実はそこに、どれだけ自分の意思で受験したいのかが如実に表れるのでは

ないでしょうか。

お母さんの喜ぶ顔が見たい、というより、お母さんに怒られたくないから

しかたなく…という受験生は意外と多いと思います。

途中で意識が変わる時期でもあるのですが、そこを強制すると

数年かそれ以上の遠回りを余儀なくされると思うのです。

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