「中学受験を深く理解している拠点塾」にはその後、なかなか出会いませんでした。

もちろん媒体としての知名度の弱さもあるわけですが、長いこと続けるうちに、

期待するようなスパイスの効いた中学受験塾はそんなに存在しないのだ、という

ことがわかりました。

ひとつよくあるタイプは地元で長く開講している超ベテランの個人塾。ある意味なんでも屋で

公立中へ通っている地元生に定期試験のヤマをかける技術に長けていたりする塾。

「うん、中学受験希望者にも対応できるよ」

そうは言うのですが、高校受験8:中学受験2か、高校受験9:中学受験1のような万能塾です。

到底難関中学に塾生を送り込むことを過大に期待してはダメです。

過去問攻略ほかのノウハウはまあ各年度に延べ30校ぐらいは受験してくれていないと

貯まりません。そうですね、中学受験生は少なく見てもコンスタントに毎年6、7人。高校受験生も

含めて30人規模の塾じゃないと、中高受験両方とも指導できるという看板は信用できないと思います。

塾長先生ひとりではかなり厳しいということがわかるでしょう。

かつて各塾に対して「学校の説明会のどこを評価するか」「学校情報はどこから入手しているか」

というアンケートを、取り続けていたのですが、出版社の側からすれば

「どういう情報誌のニーズがあるか」を知りたかったつもりでしたが

塾から見るとこちらが「教材を作っている会社」と見えていて、

「基礎から応用まで、たとえ指導力のない講師でも塾生に入試突破力をつけられるような

万能教材の開発を希望」などと回答してくるケースもありました。

きっと性質の悪いジョークかなんかでしょうか。

毎年のようにアンケートを送っているのに、まずはその意図が理解されていないわけです。

肝心の「受験情報誌はどこのどんなものが役に立っていますか?」の質問には

「無料で贈呈される受験案内で十分」という回答がけっこう見受けられました。

受験情報誌はお金を出して買うものではない、と塾が言っているわけですよね。

そういった個人塾は学校情報を日々収集することよりも、「教える」ことだけを念頭に

置いているのだとよくわかりました。

もちろん「教える」ことは学校情報の入手以上に重要なのはわかりますが、

しっかりとしたモチベーションを維持しながら、合格力アップに邁進するためには、

受験生に教材を教えるだけでは志望校を突破できないんですけどね、中学受験は。

もちろん失敗の経験値もそれほどではないようで、ほどなく「塾へのアンケート」は

編集部内で活用しなくなりました。

単なる個人塾とカリスマ塾長のいる塾との違いはなかなか見分けづらいのですが、やはり

コミュニケーションを取ってみればわかります。特に塾長ひとり、というのは十分な受験指導は

不可能ですから、その右腕、左腕のスタッフと話してみれば、その塾の実力がわかるという
ものです。

当然この塾業界も常に新たな勢力が参入し、勢力争いが繰り広げられていますが、

やはり「中学受験」は特殊な世界で、積み上げたノウハウがないと太刀打ちできません。

よく「四谷大塚」の教材を採用して、中学受験にも対応している、という中堅クラスの塾

見かけますが、他社の教材に全面的に頼っているにもかかわらず、質の高い実績を挙げるという

のは夢物語です。

さて永年、塾情報誌を編集し続ける中で習得した

「塾の実績を評価しうる指標」というのがあります。

大手塾であろうが、個人塾であろうが、実績を客観的に数値化することは、可能なのです。

その指標で言うなら、中学受験「も」やっている、中堅塾のホンネは

「いま基礎力をつけて高校入試で実績を出してほしい」です。だから

中学受験対策をしているはずなのに、「合格者」は非公表という塾がたくさんあるのです。

そして、業界がどんどん難しくなっていく過程が見えてきたのは次のような現象でした。

前述のように「高校受験が主体だが中学受験にも対応しているフリ」が限界点を迎え、

うちは高校受験しか対応していない、とカミングアウトする塾が増加したのです。

そのいっぽうで「中学受験特化塾」は増える気配がなく、拠点塾と言えるほどの塾とは出会わない、

という構図です。(でも、自分の知っている「拠点塾」では逆に高校受験対策もやろうかな、

と言っていた塾長がいましたが…。意外と算数単科の塾は生き残っているようなんですが)

つまり指導力も情報力も大手にはかなわない、という業界内の寡占状況が進行してきたということになります。

その結果、事態はどう進行するのか。

その大手の中でもキャラの分化が起こり始めるというわけです。

つづきはPART3で。

<★初出、fc2ブログ15/8/12記事>

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