学習指導要領で定められた時間数と、実際に私立中高一貫校で行われている

授業時数を比較すると、もっとも差があるのは英語です。

ただ、ここまで単純に授業時数が多い、だけでは

成果に結びつかないことも説明してきました。

ある程度時間をかけてじっくりやることで、苦手意識が薄れたり、

自信を持てたりすることはほぼ間違いがないでしょう。

問題はその先です。

さまざまな授業効率アップのノウハウはどの学校でも持っていると

思われます。ただし、それが各教科の担当間で共有されているかどうかは

一概には言えません。

つまりデキル先生と残念な先生の差は、どんな時代でもあるわけです。

そこから先はどれだけ組織的に均質化をはかるかは

管理職のウデにかかっているとも言えます。

人間関係が絡むとこれは一筋縄ではいかないものです。

さて、一時期、授業成果を上げるひとつの方法として、

習熟度別クラス編成というのがありました。

進度の遅い生徒にあわせて授業を進めると、上位生が逆に伸びあぐねてしまう、

という発想のもとに、一部の教科に限定して成績別にクラス編成する

ことを指します。

ありました、と言ってしまうのはそこを頼る学校が

昨今はさほど多くなくなったからです。

これと並行して分割授業・少人数授業も行い、授業効率の向上を図るという考え方。

全教科で成績順のクラス編成なら、特進クラス・進学クラスと分けているのと同じですから、

この「一部」をどう定義するかが難しいところで、主に英数で習熟度別もしくは分割・少人数を

実施しているケースが多いようですが、全学年で実施というケースはまずないようです。

思い出すのはある女子校の英語の授業。高1だったと記憶しています。

習熟度別クラス編成で、4クラスで同じ時間に4人の別々の先生が教えていました。

この授業をザッピングよろしく、行きつ戻りつで比較しながら見てみましたが、

ほんとうに成績順?という印象でした。

校内案内役の先生いわく「新学期なのでたまたま進度はいっしょなのです」

この言葉が本当なのであれば、トップのクラスは下位クラスの3割ぐらいは

内容を多く学ぶのでしょうか?

それが上位を伸ばし切る、ということとは思いませんでした。

試験の点数だけでいうなら、上昇のノウハウは、

皆ができる問題は絶対ケアレスミスをしない、差がつく問題はいくつかのうちの

ひとつでもいいから正解を出せるようにしておく。これに尽きるでしょう。

英単語を2000知っている生徒よりも、3000知っている生徒のほうが英語の成績がよいのならば、

成績順のクラス編成にしても、差は縮まることはないわけで、

2000しか覚えていない生徒が、どうしたら3000覚えられるか、

ということが肝心ではないでしょうか。

これもある女子校、別の女子校で特進クラスをやめたら進路実績が伸びた、という

話を聞きました。

やればできるのに、なんらかの理由でついサボりがち、そんな生徒に対して、

刺激を与えるための習熟度別編成、頑張れば頑張ったぶん成績は上がる、を

実感してほしいから編み出されたワザではないでしょうか?

そうでなければつまずきのもとを解明しない限り、ニガテはニガテのままですし、

ニガテだからゆっくりじっくりやろう、というだけの話です。

これは中高一貫校ではありませんが、某有名塾の授業見学をしたときのエピソードです。

数学と英語の授業をそれぞれ取材しましたが、ある男子生徒と女子生徒が気になりました。

男子生徒Aクンは数学の時間、常に余裕の表情で、講師が「この問題、これ以外にも

解き方があると思うけど?」と振ると「こんな感じですかね?」とすらすら

黒板に書きます。この場面で女子Bさんは、下を向いてノートをとるばかり。

次に英語の時間になると、今度はBさんが読解のカギになるフレーズを逐一的確に

指摘するわけです。どうやら数学トップクラスのAクンと

英語トップクラスのBさんは似たような合計点で、似たような偏差値の私立高校を

狙っていたようでした。

進学塾の一教室ですから「総合点」で成績別編成なのでしょう。

これはお互いに刺激になるなあ、と。

得意教科で少しでも得点し、ニガテ教科の穴は少しでも埋める…。

切磋琢磨を感じました。

分割授業・少人数授業は、教える側の目が細かく行き届くぶん、

効果があるのかもしれませんが、

習熟度別クラス編成は、どちらかというと授業を行う側の都合で、

さほど成績伸長にはつながらない、そんな気がします。

志望大学がはっきりしてくる高2以降であれば、捨て(笑)教科も

出てきてこの限りではないかもしれません。それにしても、

生徒のモチベーションを上げるうまい工夫は他にあるといいのですが…。

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