「本校は英語教育に力を入れております」

ある時期、このフレーズは先を見据えた教育の象徴のようでした。

「これから将来、日本人が身につけておくのは英語だ」

そういう時代が確かにありました。

その後、受験英語では通用しない、コミュニケーションを重視。

高校入試にもヒアリングが取り入れられ英語の時間とは別に、

英会話の時間が中学でも確保されるようになりました。

今ではそんなことは当たり前。

私立としては、ずんずん先を見据えて、国際理解教育を考えていて

ほしいものです。

留学や海外研修にしても、

「行ってみて初めてわかった、英語の重要性」

「せっかく話そうとしても説明するべき日本のことを自分は何も知らない」

つまりパソコンと同じで、英語を使って、何をどうするか、が問われる時代に

なって久しいわけです。

日本の企業でもグローバルな企業が圧倒的に増え、場面場面で求められる

英語の能力は実に多様です。

もちろん中学生の段階でどこまで力をつけるか、

という問題は別ですが、その到達点は客観的に示しにくく、

学校側はよく英検○級が○名というような言い方になります。

もちろんそういった検定・資格は本人の自信にもなり、

モチベーションにもなりますが、やっぱり実用的な英語は

相手が必要とすること、自分が伝えたいことをどう伝えるかに

尽きるわけです。

で、こんな例を思い出しました。

中1の6月の授業ですから、最初の最初でしょう。

先生「さあ、じゃあ言ってみましょう。りんごがあります、ハイ、Aくん」

Aくん「えっと~」

先生「あります、はどう言うんでしたか?」

Aくん「えっと~There is…」

先生「りんごがあります」

Aくん「えっと~There is…There is」

There is an appleと問題を完成させたかったようですが、

appleが出ないのか、と思った以上に

どんな場面でそう英語で言う場面があるか、考えてみました。

手品師がこれから目の前のりんごをみかんに変えてしまいます、

そんな口上の場面を発想しました。

そこにあるのは何ですか、ハイ、りんごです。

イメージできません。

それよりもAn apple is on the desk.なのじゃないだろうか、

そう思ったんですね。

be動詞の後ろにいきなり前置詞が来る形は、最初の頃は自分も習いませんでした。

英語に力を入れているという学校がThere is…There is…

誠にバッドタイミングだったわけですが、

英語を習い始めて30年として、手品師を演じたことはなく、There is…

なんてどんな場面で使うのだろう、と自分は思っていました。

だって、教科書のページにそういう例文がありますから、それを教えているんです、

そんな感じがしたのです。

これをずっと胸に秘めていて、1年ぐらいしてある別の中高一貫校の英語の先生に

聞いてみました。

「There is…なんて教える必要ありますかね、An apple on the deskのほうが

習うべきでしょう」

その先生はおっしゃいました。

「あるのはみかんじゃなくてりんごです、というニュアンスではないですか?

それにAn apple is on the desk.とは言いませんよ。The appleもしくはmy appleでしょうね」

なるほどなるほど、ここなんです。しっかり慣れて定着させておかなくてはならない

事柄は!

何となく英文と日本語が1:1でわかっている、ではなくちゃんと正確に運用できるチカラって、

問題を解けることじゃないんですね。

まあ、自分の英語は度胸英語でデタラメですが、ここでも教科書を教えているか、

教科書で教えているかの違い…。

前者の学校は週22時間の英語時数を誇る桜丘。後者は横浜雙葉の英語の先生でした。

もちろんたまたまの場面であり、桜丘が当時、十数年前から着実に合格実績を伸ばして

きたのなら、「英語教育に力を入れた賜物」と評価するでしょうが、十年待って、

一貫生は伸ばせていない事実を見るにつけ、違ったんだな、と言わざるを得ないのです。

英語授業の例を少ない体験の中から、明日もうひとつ紹介したいと思います。

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